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「我が麗しの妹よ」【俺妹二次(9巻ネタバレあり)】 byつむぎ日向

こんばんは!思考が迷走Mind中な主宰、つむぎ日向です!


ということで本日は、

(個人的)「俺妹」強化週間二日目!


赤城浩平、高校生活最後の夏休み!妹と過ごす兄の思いとは……


今回はそんなストーリー。
いつもどおりブログとpixivの方に投稿しているので、感想・pixivではアンケートへの回答など、どしどし募集しております!どうぞよしなに。

それでは、下より本編をお楽しみ下さい。
ノシ

byつむぎ日向




我が麗しの妹よ


 高校生最後の夏休みは貴重な時間だ。そんな時間を俺の友人――高坂京介は、妹を彼氏と別れさせたり、自分が彼女を作ったり、彼女と別れたりして過ごしたらしい。
 そんなよく意味も分からんことをしていたせいか、新学期になって学校で会った高坂は、まるでリビングデッドそのものだった。
 じゃあ、高坂のことを笑う俺がどんな最後の夏休みを謳歌したかって?そりゃ言うまでもない。最高の夏休みだったさ。
 うん?そもそも俺が誰かって?それはもちろん、赤城浩平。高坂京介の親友で、超絶可愛い妹をもつ、高校三年生だ。


 まずはお盆の夜まで遡る。
 俺が部屋で珍しく受験勉強なんてものをしていると、ドアがノックされる音がした。
「お兄ちゃん、今いい?」
「おお、いいよ」
 俺が廊下からの声に答えると、ドアがゆっくりと開いて、パジャマ姿の妹――瀬菜ちゃんが現れた。言わなくてもわかるだろうが、めっちゃ可愛い。
「受験勉強頑張ってる時にごめんね」
「大丈夫。ちょうど息抜きしようと思ってたところだから」
 なんて言いつつ、今問題集開いたばっかなんだけどな。
「そっか。じゃあよかった」
「それよりどうしたんだ?」
「うん。あのね、ちょっとお願いしたいことがあるんだけどいい?」
「もちろん!お兄ちゃんにできることなら、なんだってしてやるさ!」
「ホント!?ありがとう、おにいちゃん」
 俺の言葉を聞いて満面の笑みになる瀬菜ちゃん。この笑顔を見れただけで、なんでもできる気さえしてくる。
「じゃあ、今週の土曜日なんだけど、あたしの代わりにサークル回ってくれる?」
「は?」
 一瞬なんのことか分からなかったが、すぐに合点がいった。なんせ、去年の夏と冬、俺も瀬菜ちゃんに連れられて行っているからだ。そう、コミケってやつにさ。
「行くのはいいんだけどさ、でも代わりって……瀬菜ちゃん行かないの?」
「あたしは部活でサークル参加するから、たぶん大手のサークルさんを回ってる余裕ないと思うんだ。だから、壁とシャッターお願い!」
「そういうことなら、任せとけ!」
 その壁とかシャッターって、いつも瀬菜ちゃんが自分で回ってるところだよな。俺は島しか行ってなかったけど、まあ同じだろ。だったらなんてことないさ。それで瀬菜ちゃんの笑顔が見れるなら安いもんだ。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
 二つ返事の俺に、瀬菜ちゃんはもう一度笑顔で礼を言った。
 その後、コミケ当日にどうなったのかは、それこそ言うまでもないだろう。ただ一つ言えるのは、
「女ってこえ~……」
「なるほど……女性恐怖症になったお兄ちゃんを、高坂せんぱいが優しく介抱するとことから二人の恋物語が始まるのね」
「始まらないからね!」


 そういえば、夏休みにはこんなこともあった。
「瀬菜ちゃん、明日ひま?」
「用事はないけど、どうかしたの?」
 一階のリビングでくつろいでいた瀬菜ちゃんは、ソファーから体を起こして、リビングに入ってきた俺を見た。
「友達から水族館のチケット二枚貰ったんだけど、行かないかなーって」
「水族館?そんな子供っぽいところ、行くと思ってるの?」
「やっぱり?じゃあ、高坂あたりにでもやるかな」
「高坂せんぱいと二人で行くの!?」
「いや、二枚ともやるつもりだけど……でも、アシカショーとかはちょっと見たかったかなー。なんか凄い芸をするらしくて、評判いいんだってさ」
「凄いゲイ……ハードゲイってこと!?」
「ハード?まあ、難易度の高い技とかするんだろうな」
「難易度の高い技……いったいどんな体位で……」
「おーい、瀬菜ちゃん。帰ってこーい」
 なんか話が食い違ってる気がするな……。
「まあ、これは高坂にやるよ。田村さんとでも一緒に……」
「行く!」
「え?」
「あたし、その水族館行く!」
「でも子供っぽいって……」
「行く!」
「……わかった。じゃあ、一緒に行こうか」
「うん!」
 まるで子供のような笑顔で頷く瀬菜ちゃん。俺はきっと、この笑顔を見るためだけに生きているような気がするよ。


 そして翌日。
「うわー!すごーい!」
「おおー!」
 さすが評判になるだけあって、アシカショーは高校生の俺たちが見ても十分楽しめるような内容だった。俺の横で瀬菜ちゃんも大興奮である。
「想像以上だったな」
「うん。凄かった!」
 水族館からの帰り道、瀬菜ちゃんはお土産に買ったイルカのぬいぐるみを、満面の笑みで抱きしめていた。
「いいなー……」
「え?お兄ちゃんもぬいぐるみ欲しかったの?っていうか、そんな趣味あったの?」
「いや、そうじゃなくて、俺もその豊満な胸に抱きしめて欲しいなーって」
「お兄ちゃん、次言ったら通報ね」
「ごめん」
「だから笑顔で謝らないでって」
 そんな話をしながらの帰り道は、話の内容は今だからこそできるような話だけど、まるで子供の時のようだった。
「どうかした?なんかやけにニヤニヤしてるけど」
「なんでもないよ」


 そして夏休みも終盤になった頃の話だ。といっても、ここまでけっこう多くのイベントの話を省いている。
 例えば、俺が誘って瀬菜ちゃんと買い物に行った話だとか、俺が誘って瀬菜ちゃんとプールに行った話だとか、俺が誘って瀬菜ちゃんと(ry
 でもまあ、あんまり話していても、全国の妹持ちが嫉妬してしまいそうなので、これで最後にしようと思う。
 そんなわけで――
「花火大会?」
「うん、瀬菜ちゃん行かない?」
 俺は今朝家に入っていた納涼花火大会のチラシを掲げて言う。
「別にいいけど」
「よっしゃあ!」
「なにをそんなに喜んでるの?」
「ん?だって瀬菜ちゃんの浴衣姿が見れるから」
「はいはい……っていうか、毎年浴衣来て、二人で行ってるじゃない」
「いやあ、そうなんだけどさ」


 そして日が暮れたころ、港の近くは屋台と花火を見にきた人たちで賑わっていた。
 俺たちはというと、浴衣を着て既に始まっている花火を見上げていた。
「きれいだね……」
「ああ……」
 毎年、子供の時は家族で、俺が大きくなってからは瀬菜ちゃんと二人で来ている花火大会。それでも、毎年打ち上げられる花火を見ると感動してしまう。
「ねえ、お兄ちゃん……」
 花火も一段落してきた時、俺の横に佇んでいた瀬菜ちゃんが声をかけた。
「うん?」
「なんか最近、やけにあたしのこと引っ張り出すけど、どうかしたの?今日だって、なんにも言わなくても行くつもりだったのに」
「ああ……」
 さすが瀬菜ちゃん。俺より頭いいし、気が付いてたんだ。
「うん。正直に話すと……夏休み入ってから、瀬菜ちゃん元気なかったっていうか、空元気出してるっていうかさ……でも、相談とかしてこないってことは、お兄ちゃんにはどうにもできないことなんだろうし」
 でも、なんにも相談してくれないのは、ちょっと寂しかったけどな。こういう時は、高坂が羨ましいよ。
「だから俺にできるのは、少しでも瀬菜ちゃんに笑ってもらうことくらいかなって……ごめん、余計なお世話だったよね」
 いつのまにか俯いている瀬菜ちゃんに気が付いて謝る。瀬菜ちゃんが何に悩んでいるのかも知らずに、俺は本当にダメな兄だ。こんな時に、なんて言っていいかもわからない。
「……バカ」
 瀬菜ちゃんは少ししてからそう言って顔を上げた。暗いせいでわからなかったが、眼鏡の奥の目が潤んでいるようにも見えた。
「でも、ありがとう。お兄ちゃん」
「え?」
 それから瀬菜ちゃんは、自分の思いの淵を打ち明けてくれた。
「人生相談、っていうか……ちょっと話を聞いて」
「……うん」
「……友達がさ、転校しちゃうんだって。別に会えなくなるような距離じゃないし、これからも友達だと思ってるけど……でも、あんな風に話し合える友達、あたし他にいなくて……」
「瀬菜ちゃん……」
「もう同じ学校に通えないんだ……同じ部活のメンバーじゃないんだって思ったら、どんどん悲しくなってきて。なのに、夏休みはすぐに終わっちゃうし……」
「…………」
 俺はそんな瀬菜ちゃんになにも言ってやることができなかった。友達が転校してしまうことなんて、俺にはどうしようもない。それに、どんなアドバイスをしていいのかも分からない。
「でも、お兄ちゃんのおかげで、いろいろ悩まずに夏休みを楽しめたよ。だから、ありがとう」
「うん。俺にはなにもできないけど、瀬菜ちゃんを笑わせることだけは、お兄ちゃんの得意技だからさ」
 そう言いつつ、なにもできなくてごめんねと心の中でだけ謝る。
 今も瀬菜ちゃんは、俺に笑顔を見せてくれている。でも、俺にはわかる。これは無理やり笑顔を作っているって。そうわかるのに、この笑顔を本当の笑顔にすることはできない。
 きっと、これだけは自分で乗り越えないといけないんだろうから。でも、瀬菜ちゃんなら大丈夫。俺はそう信じてる。ってか、俺が信じてあげないで、誰が信じてあげるんだよ。
 そして最後の打ち上げ花火が始まった。
「お兄ちゃん……」
「うん?」
「――――」
「え?なに?」
 花火の音でかき消された瀬菜ちゃんの声は、俺の耳まで届かなかった。
「なんでもない!」
 だが瀬菜ちゃんは言いなおしてはくれず、澄んだ顔で花火を見上げていた。だから俺も花火を見上げる。
 来年も、この花火を二人で見れることを祈って。


「ってのが、俺の夏休みだったわけだ!」
 新学期も始まって数日。教室で高坂にそんな話をしていたところだ。
「なんていうか……おまえにも温泉まんじゅう買ってきたんだけど、急にやる気が失せた」
「温泉まんじゅう?夏休みに旅行でも行ったのか?」
「いや、新学期が始まってから行った」
「はぁ?」
 ついに意味分からんこと言い出したぞこいつ。
「ってか、赤城……なんかおまえの夏休み、妹色に染まってないか?」
「どうだ、羨ましいだろ!」
「いや、まったく」
 そんなわけで、これが俺の高校生最後の夏休みだったわけだ。
 兄としてやれることは少なかったけど、少しでも瀬菜ちゃんの力になれてたら嬉しいよ。





 花火大会の帰り道。
「ねえ、お兄ちゃん、受験勉強ってしてるの?」
「え?あぁ~」
 ふと思って、横を歩くお兄ちゃんを見上げて言ってみた。どうやら図星で、あたしのことを考えるあまり、まったく受験勉強していなかったようだ。どれだけシスコンなんだか。
「まったく。あたしがお兄ちゃんより年上なら、勉強教えてあげられるのに」
「って、それじゃ兄妹逆になっちまうじゃん」
「あたしはそれでもいいけど」
「うーん……瀬菜ちゃんが姉……いや、なんか考えらんねえや」
「なんで?」
「いや、なんでか」
 そんな話をしながら二人で夜道を歩く。
 本当、バカなお兄ちゃんだ。あたしのためにいろいろ考えて、自分のことはほっぽりなげてさ。
 でも、それがあたしのお兄ちゃん。
 そこで、さっき花火を見上げていた時に言った言葉を思い出した。花火の音でお兄ちゃんには聞こえなかったみたいだけど、それでもいい。
「――お兄ちゃん、大好きだよ」
 その言葉をもう一度、いつもよりも心をこめて胸の中で思う。
 こんなどうしようもなく情けないお兄ちゃんが、あたしには必要だから。

 ――fin.

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