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Bamboo hat game 【ハヤテのごとく!二次小説】 byつむぎ日向

先日はお騒がせしました、主宰のつむぎ日向です!
今回は事前の宣伝通り、二次小説の投稿です!(いつもどおり、pixivにも同作品を投稿しています!)

「古典落語DE二次小説シリーズ!」第一弾ということで、劇場版公開も記念しての「ハヤテのごとく!」の二次小説。
元ネタは「笠碁」という古典落語ですが、もちろん元ネタを知らなくても楽しめる作品になっていると思います!

ご意見ご感想など、両目をドライアイにしてお待ちしています!どうぞよしなに。

それでは、下の「続きを読む」から、本編をお楽しみ下さい!

byアスカに「あんたバカァ!?」と言われたくて仕方ない、つむぎ日向






 Bamboo hat game

 

 ある晴れた日の三千院ナギ家(新)。
 その日はいつものように、咲夜がナギの部屋へ遊びに来ていた。
「お嬢さま、咲夜さん、お茶が入りましたよ」
「あーハヤテ、その辺に置いておいてくれるか」
「このっ、おりゃ……」
 ハヤテが二人分の紅茶とクッキーを持って部屋に入ると、二人は食い入るようにテレビ(咲夜持参の薄型液晶テレビ)に向かっていた。入ってきたハヤテに目もくれられない程、ゲームに集中しているようだ。
「お二人とも、ゲームも良いですが、あまりやり過ぎないで下さいよ」
 そう注意しながらも、仲良くゲームを楽しむ二人を笑顔で見つめ、執事は部屋を後にした。
 その数分後、
「ふ~クエスト達成なのだ」
「一時はどうなるかと思うたけど、なんとかなるもんやな~」
 二人は無事モンスターを狩り終えて、ハヤテの淹れた紅茶で一服していた。
「しかし咲夜、最近どうも回復系のアイテムの減りが早い気がするんだが……」
「そうやな~確かにここずっと、難易度の高いクエストばっかやったから、回復アイテムもバンバン使こうてたな」
「うむ。狩に行っていたのか、アイテムを消費しに行っていたのか分からないくらいだ」
「ほなら、こんなのはどうや!」
 咲夜は急にひらめいたとばかりに、目を輝かせてナギに向き直った。
「次のクエストは、回復アイテムの使用禁止!これならアイテムの消費も抑えられるし、ちょっぴり飽きてきたゲームへのさらなる刺激にもなる!どうや?」
「なるほど、確かにそれは面白そうだな……よし、その話に乗ってやろう!」
「そうと決まれば早速や!」
 善は急げと、すぐさま新しいクエストを選び、準備もほどほどに二人はギルドを飛び出した。
 そしてそれから狩りが始まり、少し経ってから咲夜が切り出した。
「なぁナギ……」
「なんなのだ?」
「一回だけ肉食べてもええかな?」
「なっなにを言っているのだ!?」
 ナギはモンスターを攻撃していた手を止め、横に座る咲夜を見る。
「回復アイテムの使用禁止はお前が言い出したことだろう!?」
「そうなんやけどスタミナがもう……な、一回だけでええから」
「ダメだ!そもそも、そういうわがままを言うのは私の専売特許なのだ!」
「自分がわがままってわかっとったんか……って、そんなのはええから、この一回だけ堪忍してや」
「心配するな。お前が落ちても、私一人でなんとかなる」
 咲夜の言葉を聞こうとしないナギは、そのまま大剣をモンスターに振り下ろし続ける。
「そもそも、今回のクエストに回復系アイテムは持ち込んでいないはず……」
 クエストに出る前、二人は確かにそう約束してから向かっていた。それを思い出したナギは、そう言いながら咲夜の方の画面を見て一瞬動きが止まった。
 紛れもなく咲夜のアイテム欄には、いくつもの回復アイテムがフル装備されていた。
「……おい咲夜、お前はやる気があるのか?」
「いやな、なんかあった時のためと思うて」
 悪びれもせずにハハハと笑う咲夜に、ナギはついにカチンときた。
「お前はそんなことだから、いつまでたってもハンターランクが上がらないのだ!」
「な、なんやと!?ナギかて、ウチと一つしか違わないやんか!そもそも、それとこれとは話が違うわ!」
「違わないのだ!」
 いつのまにか二人はゲームもそっちのけで口論になっていた。
「いったいどうしたんですか!?」
 その騒ぎを聞きつけて、ハヤテが部屋に飛び込んでくる。
「咲夜が私よりもわがままを言うのだ!」
「なんやと!このケチ!」
「お二人とも、落ち着いて下さい。とりあえず訳を話していただけますか?」
 それから、お互い頬を膨らませる二人に事の顛末を聞いたハヤテは、少々呆れながらも、どうしたものかとなかなか考えがまとまらなかった。
「三年前……」
「はい?」
 すると、突然俯いて黙っていた咲夜が口を開いた。
「三年前、ナギはウチから借金したな」
「え?そうなんですか?」
 三年前といったら、ナギはまだお金持ちだったはず。そう思いながらナギにハヤテが問うと、
「いや、借りてないぞ」
 と、キョトンとした顔で答えた。
「あれ?そうやったっけ……そうや、ゲームや!」
「ゲーム?」
 咲夜は思い出したとばかりに、口早に話し出す。
「そうそう!三年前、発売したばかりのゲームを、どうしても先にやりたいっちゅうナギに、ウチは自分がやりたいのも我慢して貸したったな?」
「確かにそんなこともあったな。だが、その話と今日のこととなんの関係が……」
「ある!ナギはあの時、「半月もあればクリアするから」って言うて借りていったな?なのに、けっきょくクリアできないからって一年も借りてたやん!」
「だから、それがどう関係するのだ!」
「あん時、ウチは自分がやりたいのを一年も我慢したんやで!なのに、その間一回でも早う返せって最速したか?」
 ナギはその言葉を受けて少し考えてから、
「してなかった……」
 と、その時のことを思い出しながら答えた。
「そうやんな。それなのにナギときたら、たった一回肉使うのも許せんて、どんだけケチやねんな」
 あの時は悪いことをしたという罪悪感が芽生え始めていたナギだったが、咲夜のその言葉を聞いて、再度頭に血が上ってきた。
「なっ!そんな昔話まで持ち出して、ケチは咲夜の方なのだ!このヘボハンター!」
「誰がヘボやて!」
「お二人ともいい加減にしてください」
 見かねたハヤテが、掴み合いにでもなりそうな二人の間に割って入る。
「たかがゲームじゃないですか」
「「たかがゲーム!?」」
 ハヤテの言葉に声をそろえて睨みをきかすナギと咲夜。
「すいません……」
 それを受けて、小さくなりながら謝ることしかハヤテにはできなかった。
「もうええわ!こんな家、二度と来うへんからな!」
「ふんっ、勝手にしろ!おい、ハヤテ!こいつが来ても二度と敷地内に入れるなよ」
「そんなお嬢さま……咲夜さんも……」
 二人の間をハヤテがおろおろしている間に咲夜は帰ってしまい、ナギの部屋にはタイムオーバーになったクエストだけが無情にも残されていた。
「大丈夫なんでしょうか……」
「大丈夫ですよ」
 心配することしかできないでいるハヤテの背中に、そんな優しい声がかけられた。
「マリアさん」
「ほら、“碁敵は憎さも憎し懐かしし”なんて言うでしょう?」
「えっと、そうなんですか……?」
 マリアの言葉はいま一つわからなかったハヤテだが、心のどこかで、あの二人なら大丈夫だという思いがあったのも確かだった。





 そしてそれから二、三日も経ったころ。
「なぁ、伊澄さん……」
「なんですか?」
 伊澄のもとに遊びに来ていた咲夜は、どこか退屈そうに切り出した。
「ゲームあらへん?」
「うちにないのは知っているでしょう」
「うぅ~そうやけど~」
 縁側でぐだ~っとしている咲夜に見かねた伊澄は、
「そんなに誰かとゲームがしたいなら、ナギの家にでも行ったら?」
「うっ……それは、その……」
「なんなら、私も一緒に行ってあげましょうか?」
「いや、それはあれやろ。ウチと行けば自分が迷わんからって思うてるやろ」
「そ、そういうわけじゃないのよ。ただ、私も遊びに行きたいなーって」
 アタフタする伊澄を見てクスっと笑った咲夜は、そこでふと大事なことを思い出した。
「あー!しもうた!」
「どうかしたの?咲夜」
「ナギの家に忘れ物してきてもうた!」
「そう。なら、それを取りにナギの家に行けるじゃない」
「そうやな!いや、でも、その……」
 二度と行かないと言ってしまった手前、簡単にまた行くのが癪に障る咲夜だったが、行くための理由ができたことに少しホッとしてもいて、そしたらまたゲームでもなどという思いが頭によぎってもいた。
「そうや!ウチは忘れ物を取りに行くだけや!それなら仕方ないな!?」
「そうね」
「よし!それならすぐにでも……って、あれ?」
 伊澄の家を飛び出そうと思い外を見上げると、真っ黒い雲から雨が降り注いできた。
「これが今流行の、ゲリラ豪雨というやつね」
「悪いんやけど伊澄さん、傘貸してくれへん。持ってきてなくて」
「ええ、それはいいのだけれど……」
 少し言いよどんだ伊澄は、すぐに咲夜のもとに“カサ”を持ってきた。


「ヒマだ~」
 一方その頃、ナギはヒマを持て余して家中を徘徊していた。
「む?ハヤテ、どこか行くのか?」
 すると、玄関で大荷物を背負ったハヤテを見かけて声をかけた。
「あっ、お嬢さま。ちょうどこれから、咲夜さんのお家に行こうかと思っていまして」
「咲夜の?」
 ナギが首を傾げるのを見て、ハヤテは背中に背負った大荷物を上げてみせる。
「はい。このあいだ遊びにいらした時にこれを忘れていってしまわれたので、お届けに行こうかと」
「あいつは、こんな大荷物を忘れていったのか……」
「ええ、薄型液晶テレビを」
「あぁ~そういえば……」
 そういえば、あのゲームをやっていたテレビは咲夜が持ってきたんだったな~と思い出したナギは、そこでふと思いついた。
「だがハヤテ、それを返しにいくことはないぞ」
「え?なんでですか?」
 一回は首を傾げたハヤテだったが、すぐにナギが何を考えたのか合点がいって、
「ダメですよ、お嬢さま」
 と、ナギに人差し指を立てて言い放った。
「へ?」
「とぼけてもダメです。咲夜さんのテレビを返さなければ、いつまでもこの大きいテレビでゲームができるとか考えているんでしょう?でも、これはちゃんと返してきますからね」
「ち、違うのだ!ただ私はその、これがあれば、咲夜が家に、取りにくるかも、しれないのだ……」
「お、お嬢さま!?」
 急に声が小さくなっていくナギに慌ててハヤテは謝り倒す。
「すいません、お嬢さま!お嬢さまがそんなに咲夜さんと遊びたいとは知らずに……」
「でも、ハヤテの言っていることも一理あるな……これでいつまでもゲームが大画面で……」
「お嬢さま……」
 なんだかんだでいつもどおりのナギに心をなで下ろしたハヤテは、
「っていうか、そんなにゲームが誰かとしたいなら、オンラインでギルドに行けば、誰かいるでしょう?」
 とナギに優しく問いかけた。
「それではつまらないのだ」
「皆さん、そんなに弱いんですか?」
「みんな強すぎて、私がついていけないのだ……」
「あーそっちですか」
 その言葉を聞いて、ハヤテはテレビを背負いなおした。
「やっぱり行ってしまうのか……?」
「はい」
「でも、外は今流行のゲリラ豪雨で、それじゃあハヤテもテレビもびしょ濡れに……」
「大丈夫です。僕なら雨に一発も当たらずに咲夜さんの家まで辿り着けますから」
「お前はどんなスキルを持っているのだ……」
 サムズアップで答えるハヤテにナギはげんなりして返した。
「それと、これを返すついでに、咲夜さんにまたいらして下さいって伝えてきますね」
「ハヤテ……ふ、ふんっ!余計なお世話なのだ!でも、別にお前が言いたいなら、言ってきてもかまわないぞ」
「はい。では、そうしてきますね」
 ナギにニッコリとほほ笑むと、ハヤテは玄関の戸を開いた。
 だが、家を光速で飛び出す前に、向かいの道に誰かがいるのに気が付いて、ハヤテは動きを止めた。
「あれって……」
「うむ……」
 雨の中、家の前の道をうろうろしているのは、間違いなく咲夜だった。ただ、ナギもハヤテも、咲夜のその格好に一瞬言葉を失ってしまった。
「なぁハヤテ……あいつは何を被っているのだ……」
「深編み笠ですね……虚無僧とかが被ってた」
 そう。咲夜はなぜか顔が全て隠れる深編み笠を被ってうろうろとしていた。
 なぜそんな恰好なのかといえば、話は数分前に遡る。


「なぁ伊澄さん……他にカサはないんか?」
「残念ながら今全て出払っていて、これしか残っていないの」
 “傘”を貸してくれと言った咲夜に伊澄が手渡したのは、他でもない深編み“笠”だった。
「ってか、なんでこんな笠しかないねん!おかしいやん!」
「それは話の都合よ。それに、いやならいいのよ。それとも、ナギの家には行けなくなってもいいの?」
「うっ……」
 そんなわけで、咲夜は伊澄から笠を借りてナギの家までやってきたのだった。


「そんなことより早く中に……」
「行くな、ハヤテ」
「ですが、このままでは風邪を……」
「いいから、お前は温かいお茶の用意と、そのテレビを繋げ直しておけ」
「お嬢さま?」
 ハヤテにそう言うと、ナギは雨の中濡れるのも構わずに外に出た。
「おい、いつまでそんな恰好でうろうろしているのだ!?」
「ナ、ナギ!?」
「警察に通報される前に早く中に入れ、このヘボハンター」
「なんやと!この下手くそハンター」
「なら、どっちが下手か試してみるか?」
「望むところや!」
 お互い悪口を言いあいながらも、部屋に上がった二人は、濡れた体を拭うのも忘れてテレビに向かった。
「ほな、やろか!」
「よし!じゃあまずは攻略本で、取りに行く素材の確認を……ん?おい、ハヤテ!雨漏りしているぞ!」
 ナギと咲夜が二人で頭を突き出して見ている攻略本に、ポタポタと水が垂れてきたので、ナギは大急ぎでハヤテを呼び出した。
「え、ホントですか?お嬢さまの部屋の雨漏りはこの間直したはず……ってなんだ」
 部屋に入ったハヤテはクスッと笑ってから、
「咲夜さん、笠を被ったままですよ」
 と、笑顔で言ったのだった。

   ――fin.


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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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