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グルグル眼鏡の奥の思い【俺妹二次(原作8巻ネタバレ有)】 byつむぎ日向

次はお知らせとか言いつつ、今回も二次SSを投稿します。ツムギヒナタです。カタカナにした意味は特にないですw

今回は、というより今回も、俺妹の8巻からネタバレ有の二次小説です!
なんと沙織視点で書かせて頂きました。

京介と桐乃が逆転している8巻。
だったら、京介に麻奈実がいたよに、桐乃にも……そんな話です。

次の更新こそ、お知らせができると思いますので、今回はどうぞSSを楽しんで下さいませ。
感想他お待ちしています。
どうぞよしなに。

byつむぎ日向


グルグル眼鏡の奥の思い

それは、夏休みも終わりに近づいたある日のことでござった。
『明日ヒマ?』
 きりりん氏より急に電話があり、拙者が慌ててグルグル眼鏡をかけて電話に出ると、挨拶もなしにそう言い放たれた。
「明日の予定は特に入ってないでござるが、何か急用で?」
『ううん。そういうわけじゃないんだけど……ちょっと……』
 はて。拙者としても、是非にでもきりりん氏と遊びたいのですが、どうやら様子がおかしい気が……
「了解仕りました!では、明日はアキバで良いでござるか?それともきりりん氏のご自宅……」
『アキバ!』
「分かり申した。では、いつもの場所にいつもの時間で」
『うん……ありがと』
「いえいえ。では、どろん」
 きりりん氏との電話を終え、拙者は慌ててかけた眼鏡を外した。
「なにかあったのでしょか……?」
 心配しても始まらないのは分かっていても、あまり楽しい様子ではないようでしたし。“また”何かあったとしか……
  そんな時、テーブルの上に置かれた携帯が再び震えた。
 ――黒いのには知らせないで。
 彼女から着たメールには、その一言しか書かれていなかった。


 その後、何日かに一回、きりりん氏からお誘いの連絡がありました。
 それ以外の日も、どうやら学校のお友達と遊んでいるようでしたし、まるで昼間は家に居たくないように遊びに行っている。拙者にはそう見えたでござる。
 そして、きりりん氏言うところの黒いの――こと、黒猫氏についても、個人的に連絡を取ることはあっても、あまり三人でということがなくなってしまい申した……。
 遡れば、それは夏コミの打ち上げをやり直したあの日を最後にだったような。
「沙織ぃ!」
 アキバの駅前。
 きりりん氏が笑顔で手を振っているのを見て、拙者は考えるのを一旦止める。
「きりりん氏!毎回早いでござるなー」
「当然でしょ。……あっ、でも、別に遊ぶのが楽しみでとかじゃなくて……」
「良いでござる。良いでござる」
「あんた、人の話最後まで聞けって!」
 そんな話をしながら、いつものようにショップ巡りを始める拙者たち。ここ数日でほとんどのお店は見てしまい、そうそう新商品が出ていることもなく、割と途方にくれつつも時間は過ぎていくのでござった。


「やっぱ、何度来てもアキバっていいよねー!」
「そうでござるな」
「ホント、夢の街って感じでさ!」
「そうでござるな」
 なにを買ったわけでも、なにを見たわけでもないのにご満悦な様子のきりりん氏。
 それはとても楽しそうで、曇りのない笑顔でござった。
 しかし、拙者がどこか足りないと思うのは……
「ねぇ、聞いてる?」
「そうで……なんの話でござったか?」
「やっぱ聞いてない」
「失敬失敬!少しばかり考え耽っておりましたゆえ」
「なにを?」
「黒猫氏について」
「…………」
 拙者がその名前を口にすると、きりりん氏は黙りこくってしまった。
 最近でも、チャット上では普通に話しているようでござったが……
「なにかあったでござるね?」
「…………」
「きりりん氏……」
 無言を貫くきりりん氏。
 正直、いつもならなにかあったとなれば、すぐに京介氏から連絡があるものが無い。なら大丈夫なのかと高をくくっていたのですが、いい加減我慢の限界でござる。
「拙者に言えないようなことなら、無理に話せとは申しません。ですが、もし気をつかっているだけなら、そんな気は使わないで欲しいでござる」
「沙織……?」
「きりりん氏と、黒猫氏と、拙者は、友達でござろう?」
「そうだけど……」
「拙者は、きりりん氏の友達として、きりりん氏が苦しそうにしているのが見ていられないのでござる」
「あたしが……苦しそう……?」
 俯いていた顔を上げて、そう問い返すきりりん氏。
「うむ。せっかくアキバまで来てショップ巡りをしているというのに、時折なにかを思いつめるような顔になっているでござる」
「そんなとこ、よく……見てるね」
「友達でござるから」
 拙者は一回言葉を切り、「それに」と続ける。
「拙者も寂しいでござる。きりりん氏と二人で遊ぶのも、黒猫氏と二人で遊ぶのも楽しいですが、やっぱり三人が良いでござるよ」
「沙織……」
 きりりん氏が優しく微笑んだ。
 拙者が思う、きりりん氏の一番の良い顔でござる。
「きりりん氏が話してくれないと、拙者はここで泣きわめくでござるよ!」
「えぇー!ちょっと、それはマジで止めて!わかったから!」
 イスから腰を浮かして止める必死な顔を見て、拙者は笑いながらコップに刺さったストローを吸った。


「そうでござったか……」
 きりりん氏から聞いたのは、黒猫氏と京介氏が付き合ったという話だけでござる。
 でも、そこから容易に分かる答えもありました。
 やはり、きりりん氏は家に帰りたくないのだと。家にいると、恋人同士の京介氏と黒猫氏に会ってしまうかもしれないから。
「しかし、黒猫氏も京介氏も薄情でござるなー。拙者にも一言報告があっていいと思うのですが」
「あーそのことなんだけど、あたしが言ったって内緒ね」
「はて?それまたなぜに?」
「あいつ、言うとしらきっと自分から言うと思うから。あたしにもそうしたし」
 きりりん氏の言うところの“あいつ”とは、おそらく黒猫氏ではなく、京介氏の方でありましょう。ただの勘ですが、なぜかそう拙者は思うのでした。
「そうでござるか……ならば、聞かされることがあれば、最大級のリアクションで驚きましょうぞ」
「いや、そこまでしなくていいし……」
 苦笑いのきりりん氏を少しの間眺め、
「それで、なにに悩んでいるのですか?」
 そう優しく問いかけた。
 正直、きりりん氏の胸の内は分かっているつもりです。
 それでも、ちゃんと本人の口から聞いておきたかった。
「それは……どうしたらいいか、わからなくて」
「そうでござるか……」
 きりりん氏が言ったことは、やはり予想していた通りの言葉でござった。なら、
「なら、答えは簡単でござる」
「え?」
 羨ましいくらいに大きい目をパチクリとさせるきりりん氏。
「他人のふり見て、でござるよ。いや、この場合は家族のふり見て、でござるな」
「どういうこと?」
「京介氏は、こういう時にいつもどうされていましたか?」
「それは……」
「無鉄砲に突っ込んで行って、後先考えずに暴れる。それが京介氏でござろう」
 今頃、黒猫氏とデート中の京介氏は、クシャミでもしていることでしょう。
「だったら、きりりん氏にもそれができるはずでござる。兄妹なのですから」
「兄妹、か……」
「左様。それは紛れもない事実でござろう。なら、なりふり構わずに、好きなようにやってしまってかまわないのでござる」
 京介氏は、きりりん氏に対して彼氏など作るなと言い放ったと聞きました。なら、きりりん氏もそうハッキリ言えばいいのでござる。
 とは言わずに、
「きりりん氏のやりたいように、するのが一番でござる」
「やりたいように……?」
「そうでござる。正直、拙者にはそれが正しいのか間違っているのかはわかりません。ですが、きりりん氏が全力でぶつかれば、何かが変わると拙者は思います」
 京介氏は今までそうしてきました。
 そして、そのおかげで、拙者たちは今も友達でいられるのですから。
「きっと、きりりん氏にもできるでござる」
「そっか……そうだよね!あたしも、できるかわかんないけど、京介みたいにやってみる!」
「京介、でござるか……」
「え?」
「いえいえ、なんでもござらんよ」
  なにか吹っ切れたような顔、とまでは行き及びませんでしたが、少しは役に立てたでござるかね?


 その日はそのまま駅で別れ、拙者は家に戻ると同時に、ふと思い立って携帯を取り出した。
『もしもし?』
「ニンニン。今大丈夫でござったか?」
 電話先は京介氏。
 一応言っておきますと、別になにかを言ってやろうと思ったわけではござらんよ。
『ああ、大丈夫だけどさ。あんま時間ねぇんだ』
「失敬。出先でしたか」
『まあ、そんなとこだ』
 電話の後ろから、なにやら女の子のような声が聞こえてくる気が……
「もしや京介氏、ついに幼女をさらって……」
『違げーよ!人聞きの悪いことを言うな!ただちょっと……これから花火を見に行くんだよ』
「ほう。そういえば今日でしたな。楽しんできてくだされ」
『おう。それより、なんか用があったんじゃないのか?』
「いえ、少しばかり京介氏が恋しくなっただけでござるよ」
『あーっ!京介くんが浮気してるー!』
『バカか!そんなんじゃないから!ってか、沙織も変なこと言うな!』
 電話口から可愛らしい女の子の声が聞こえ、京介氏のツッコミが入る。それに笑みを漏らしながら、
「本心でござるよ。また、皆で会いたいと思っておりまして」
『なに言ってんだよ。言ってくれれば、皆すぐ集まるっての』
「そうですね……」
 “私”はそう相槌を打ってから、
「失礼しました。それでは、花火を楽しんできてくださいね」
『沙織?』
「では」
 京介さんの言葉を聞かずに、私は携帯を閉じた。
 途中から眼鏡を外していたのには、その時に初めて気がついた。
「きりりん氏……頑張ってくだされ」
 もう一度拙者に戻り、棚に大事に飾られたデコプラモを見上げる。
「拙者は、信じて待っているでござるよ」
 そして、ガラスケースをツンっと突いたのでござった。

 ――fin
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