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St. Valentine's Day(高坂大介編)【俺妹二次】

皆さん、今年のバレンタインはどうでしたか?
(実は、幼馴染から手作りクッキーをもらったのは秘密の)つむぎ日向です!


今回、バレンタインネタで4本書きましたが、その締めくくりの今回は、「俺妹」の「高坂大介」視点でお送りします。

pixivにも同作品を投稿していますが、感想などお待ちしています。気軽にコメント下さいね!

では、作品をお楽しみ下さい。

byつむぎ日向



St. Valentine's Day(高坂大介編)【俺妹二次】


「なにニヤニヤしてんのよ、このシスコン!」
「ちょ……おま、誰がシスコンだ!?」
 今日もまた、二階の子供たちの部屋から言い争う言葉が聞こえてくる。ここ一年ほどは、毎日と言ってもいいほどその声を耳にしている。
 初めのうちは、「夜中に何を騒がしい!」と、怒ってやりたくもなったが、思えば、少し前までは兄妹で喧嘩をしているところなど、まったく見もしなかった。そのせいか、慣れてしまった今では、いい酒の肴になっている。
 子供たちの仲がいいということは、親として実に嬉しい限りだ。何より、あの頼りのなかった京介が、文字通り体を張って妹の桐乃を守っている。俺はそれが満足でしかたない。
 まだまだ未熟な息子だ。やり過ぎてしまうところもある。それに、すぐに人に頼るという精神もあまり好きではない。
 だが、自分の信頼する者たちのため、何があっても最後まで諦めないあいつの心の強さは、それだけでも賞賛に値すると俺は思う。その心は、今の若者には欠けているものだ。
 と、そんなことを、日本酒を飲みながら思っていると、部屋の戸が呼びかけもなしに開かれた。その時点で誰かはわかる。
「一声かけろとあれほど……」
「いいじゃないですか、別に。それよりも、これ」
 そう言って俺の妻、佳乃は長方形の包みを渡してきた。
「なんだ、それは?」
「あらやだ。お父さん、今日が何の日か知らないんですか?」
「今日?……ふむ。俺の誕生日でも、結婚記念日でもないようだが」
「はぁ~これだから……もっとドラマの警察官みたいに推理してくださいよ」
 そんな無茶を言うのは、結婚する前から同じだったか。
「今日はバレンタインですよ」
「バレンタイン……そうだったな」
 そんな製菓会社の売り上げを伸ばすような広告商法、俺はまったくと言っていいほど興味がない。そもそも、この歳になってまで、やれバレンタインだ、やれクリスマスだと言っている方がどうかしているし、部下にも示しがつかない。なにより、
「俺は甘いものは苦手だ」
「知ってますよ。だから、日本酒入りの買ってきました。まあ、お口に合わなければ、私が食べますから」
 そう言って尚も俺に包みを渡そうとする。ここまでされては受け取らないわけにもいかないので、その包みに手を伸ばしたところ……
「お父さん……いい?」
 開け放たれた戸から、桐乃が顔を出した。
 さっきまで二階で言い争っていたわりに、落ち着いた声音だ。俺の前でも、もっとああいう風に激昂してくれてもいいのだが……とは、さすがに言えないが。
「なんだ、こんな時間に?」
「うん。あのね、これ……チョコレート。今年は、自分で作ってみたんだ」
「そうか……」
 桐乃がチョコレートを……そういえば、今月発売された雑誌で、お菓子作りを始めたと書いてあったな。それはこれのことだったのか。
「桐乃」
「なに?」
 ――これは京介にもあげたのか?
 と、聞こうとして口を噤んだ。
 俺はなにを、息子に勝ち誇ろうとしているのだ。馬鹿馬鹿しい。
 最近少し京介にばかり相談しているからといって、俺が桐乃の父であることには変わらないだろうに。
「いや、なんでもない。あまり夜更かしはするなよ」
「うん。じゃあ、おやすみ」
「ああ」
「おやすみ、桐乃」
 桐乃が出て行ったあと、佳乃が俺を見ながらニヤニヤと笑っている。
「なんだ?」
「いえ、私のはすぐに受け取らないくせに、桐乃のは何も言わずに受け取るんですね」
「悪いか……」
「そんなことはないですよ」
 俺はばつが悪くなり、お猪口に残っていた酒を一気に飲み下した。
「それじゃあ、私はまだ洗い物があるので」
「ちょっと待て」
 部屋を出て行こうとする佳乃を呼び止め、とっくりを掲げて言った。
「酒のつまみになる。置いて行け」
「?」
「それだ」
 なにを言われたのか分からない様子だったので、とっくりを振って、その手元にある包みを指した。
「なんだ。食べるなら、食べるって言ってくださいよ」
「俺の勝手だ。これだけじゃ甘ったるいからな」
 そう言って机の上に置いた桐乃からの包みを見る。
「そんなこと言って、毎年全部食べてくれるじゃないですか」
「たまたまだ」
 俺はもう一度お猪口を口に運んだが、その中は空っぽで、極まり悪く一度置いたとっくりに手を伸ばす。が、
「もう。素直じゃないところばっか、誰かに似ちゃったんだから」
 俺より先にとっくりを取った佳乃は、そう言いながらお猪口に酌をした。
「誰の話だ?」
「さあ?誰でしょうね?」
 とぼけて言った佳乃は、包みを机に置き「飲みすぎないで下さいね」と言い残して部屋を後にした。

 それから俺は、数時間かけて二つの包みを空にするのだった。

 ――END.
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