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St. Valentine's Day【俺妹二次】

さて、セントバレンタインデーももうすぐ終わりですね!

本日三回目のつむぎ日向です。

今回は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のバレンタイン二次小説。
pixivにも同作品を投稿していますが、感想など待ってます。どうぞよしなに。

数時間後に、これの番外編も投稿しますので、またその時に。

byつむぎ日向。




St. Valentine's Day【俺妹二次】



「ねえ、あんた。今度のバレンタイン……わたしにプレゼント」
 俺、高坂京介は2月13日の夜、俺の部屋に押しかけてきた桐乃にそんなことを言われた。
「はっ?プレゼント?誰が?誰に?」
「だから!あんたが、わたしに」
「なんで?」
 なにが悲しくて、妹にバレンタインのプレゼントなどしなくてはいけないんだ。
「なんでって……それは、その……欧米ではそういうのが普通なの!」
「欧米って……」
 ここは日本だ。
「だいたい、どこでそんなこと聞いてきた!?」
 俺はそう桐乃に聞いたが、まあどうせ、留学してる時にでも聞いたのだろうと当たりはつけていたのだが、桐乃の答えはそうではなかった。
「ラジオ」
「ラジオ!?」
「そう。こないだ、いつも聞いてるラジオで、えっとーラジオネーム“林檎をむいて歩こう”さんが、そんな内容のメール読まれてて」
 まったく。はた迷惑なことをしやがって。
「で、どんな内容だったんだ?」
「えっとね……欧米では、性別に関係なく毎年バレンタインはお世話になった人にプレゼントをする日なの。って感じだったかな?」
「ちょっと待て」
「なに?」
 俺は桐乃の前に手を出して、桐乃の言葉を止めた。
「お前の言っていることはおかしい」
「なにが?」
「いいか?そのメールを送った人が言ってることが正しいなら、“お前”が“俺”にプレゼントをするべきだろ」
「はぁ?なに言ってんの?あんた、妹からチョコとか欲しいわけ?うっわー、キモ」
 自らの体をかばうように抱きしめ、一歩後ずさる桐乃。
「違うわ!いいか、バレンタインはお世話になった人にプレゼントするんだろ?俺がいつお前に世話になった?ええ?」
「それは欧米の話でしょ?ここはニ・ホ・ン」
「お前……」
 コイツ、自分で言ってることわかってんのか?
「いいから!とにかくプレゼントね」
 桐乃はそう言うと自分の部屋に戻って行った。
「って、なんで俺が……」
 そう言いつつ、頭の中では既に、どこでなにを買えばいいのかを考えてるから嫌になるぜ。





 翌日、つまりバレンタイン当日。俺はアキバにやってきていた。
 なぜアキバかって?
 そりゃもちろん、桐乃“たち”にプレゼントを買うためだ。
 そして、その“たち”ってのは――
「黒猫に沙織、それに瀬菜にも買っていくか……あと、あやせは……どうするか」
 って、ことだ。
 つまり、本来のバレンタインが世話になった奴にお礼をするように、俺も普段世話になってる奴への礼をと思ったのだ。
 その方が、桐乃一人に買っていくよりも何倍も気持ちがいいってもんだ。
 しかしどうしたものか、何を買って行っていいものかさっぱりわからん。
 アキバはバレンタイン当日だと言うのに、むさい男で一杯になっており、いつもくるアキバと何も変わらないでいる。ここに来たのは失敗だったかもしれない。
「こうなったら、あいつに聞いてみるか」
 そう一人つぶやいて、俺は携帯を取り出した。
 こういう時に、ムカつくが一人だけ分かりそうな奴がいる。
『もしもし?』
 そいつは数回のコールで出て、そういつもどおりの抜けた声を出した。俺のクラスメイトにして、兄仲間の赤城浩平だ。
「よう。今大丈夫か?」
『ああ、大丈夫だぜ。どうかしたか?』
 こいつは考えられんレベルでのシスコンだが、サッカー部で爽やか系。しかも顔もそれなりなので、本当にムカつくがそれなりに女子にモテている。
「あーちょっとな。聞きたいんだが、女子がプレゼントされて嬉しがる物ってなんだと思う?」
『田村さんか?』
「違う」
 そういや、あいつを頭数に入れてなかったな。毎年チョコはくれるし、たまには何かくれてやるか。
「一般的な話だ。例えば、お前がバレンタインに誰かにチョコを貰ったら、お前は何を返す?」
『何って、そりゃ毎年クッキーだが』
 コイツ、さりげなく毎年貰ってることを白状しやがった。
『あーでもな……』
 と、赤城はそのまま話を続けたので、俺は携帯に耳を傾ける。目の前で白衣を着た厨二病っぽい男と、いかにもオタクな男が言い争っているのは無視することにする。
『だいたい女ってのは、何を貰っても喜ぶものだぜ』
「そんなもんか?」
『そんなもんだ。ましてや、バレンタインにチョコをあげるような間柄なら、余計何を貰っても嬉しいはずだ』
「チョコをあげるような間柄ねー」
 俺は今回、チョコを貰えるわけでもないのにプレゼントを考えてるわけだが、この場合はどうなる?とは、さすがに聞けなかった。
「まっ参考になったわ。そうだ、最後に一ついいか?」
『おう』
「お前の妹は何を貰ったら喜ぶ?」
『瀬菜ちゃん?そうだなー……ボンテージはこないだあげたし――って、おい!高坂!お前は瀬菜ちゃんからチョコを貰ったのか!?俺もまだ……プープープー』
 話が長くなりそうなので電話を切ると、俺はそれからしばらくいろいろなショップを見て回った。
 まさか俺がチョコをあげて回るわけにもいかないしな。かといって、下手にアニメグッズは、よく知りもしない俺が手を出すわけにもいかないだろう。


 それから数時間をかけて、けっきょくどこにでもありそうな菓子のセットを買って、俺は待ち合わせ場所に移動した。





「待たせたな」
 最初に向かったのは、黒猫と沙織の待つアキバのカフェだ。こいつらには、事前にここに来てくれと言っておいた。
「いえいえ、拙者たちも今来た所でござるよ」
「そうね。すでに2、30分待ったけれど、今来たところと言っておこうかしら」
「その、悪い」
 俺は既に待っていた二人に謝る。
 買い物に思いのほか時間をかけてしまったため、二人を待たせることになってしまった。
「フン。別にいいわ。それより、わざわざ私たちを呼び出したのは、何の用があってのことかしら?」
「あーそれなんだけどさ」
 さっき買ったばかりの菓子の包みを黒猫と沙織に差し出す。
「これを、お前らにと思って」
「え?」
「はて?これは……」
 二人とも目を丸くしてるよ。まあ、これが普通の反応かもしれないな。
 そこで俺は桐乃が言い出したことを二人に話した。
「なるほど。そういうことでござったか」
「それにしても、面倒な妹を持ったわね」
「ホントだよ。兄にバレンタインのプレゼントを頼むなんて」
 どこにそんな妹がいるってんだよ。
「私が言ったのは、そういう意味ではないのだけれど」
「え?」
「じきに分かるわ」
「それよりも、黒猫氏。ちょうどよかったではござらんか」
「それも、そうね……」
 そう言った黒猫の顔は、どこか赤かったように見えたが、すぐに鞄の中を覗くために俯いてしまったので見えなくなってしまった。
「毎年、妹たちに作っているのだけれど、今年は作りすぎてしまったから」
 黒猫がそう言ってわたしてきた包みを受け取りながら思う。
 これってもしかして――
「バレンタインの……」
「義理よ、義理。言ったでしょう。作りすぎたって」
「ああ。でも、ありがとな」
「まさか、貴方から先にわたされるとは思ってもなかったけれどね」
 そう言ったきり、黒猫はそっぽを向いてしまった。
「いやはや実は拙者も用意したのですが、人気者の京介氏ゆえ、今日は忙しくなりそうなので、わたすのは止めた方がよさそうですな」
 と、沙織がそんなことを言いだしたので、俺は片手を出してそれを制した。
「いや、貰えるものは貰う」
「ですが、きっと後々鼻血を出すことになりますぞ」
「俺にチョコをくれる奴は、お前が思ってるほどいねぇよ」
「それならば」
「こ、これは……」
 俺は沙織の出したチョコに驚愕した。
 まず、物自体はチロルチョコだ。なのに、その包みの一つ一つに――
「沙織がいる……」
「左様!拙者特性の、バジーナチョコですぞ。一つ一つを拙者だと思って、味わって食べて下され」
「変なこと言うな!」
 と、怒ってみたが、これはどうしたものか……。誰かに見付かったら、絶対に変な目で見られるな。なんせ、1箱分をグルグル眼鏡の沙織が埋め尽くしてるんだから。
「なぁ、この包みは捨ててもいいのか……?」
「それは京介氏にお任せしますぞ」
「そうか……」
 これは、捨てるに捨てられないしな……。
「っと、悪い。いつまでもここにいるわけにはいかないんだ。他にも世話になった奴はいるからさ」
「そう。今日はありがとう先輩」
「ありがとうございます」
「こっちこそサンキューな」
 そう言って俺は黒猫と沙織と別れ、アキバを後にした。


 その後、俺は学校の部室に向かい、呼んでおいた瀬菜に菓子をわたし――
「これは、兄にもあげたんですか?」
「赤城に?いや、やってないけど」
「はぁ~、先輩はなにもわかってませんね」
「わかりたくもない」
「でも、ありがとうござます。これは、このお菓子のお礼みたいになってしまいましたが」
「おお、サンキュー」
 瀬菜から手作りのチョコを貰った。これは赤城に言ったら殺されかねないな。


 そしていつもの公園に向かい―――
「これは、なんですか。お兄さん」
 あやせに菓子をわたした。
「まあ、普段の礼だ」
「お礼をされるようなことはしてませんが」
「桐乃とずっと仲良くしてくれてるだろ。それのだと思ってくれよ」
「……そういうことなら」
 渋々という感じでうけとったあやせは、包みをしまった鞄から別の包みを取り出した。
「今日呼び出すから、てっきりチョコをくれと迫られるのだと思って、友達に作った奴の残りを持ってきたんですけど。そういうことなら、これはいりませんね」
「ちょっと待て!」
 ツッコミたい所はあったが、今はそれよりも……
「それは、あやせが作ったのか?」
「そうですけど」
「ください!お願いします!」
「って、頭を下げないでくださいよ!」
 中学生女子に向かって九十度で頭を下げる俺を、あたふたと手を振って止めさせるあやせ。
「わかりました、あげますから」
「本当か?」
「はい。どうせ、残り物ですし」
 俺はあやせから、かわいくラッピングされた包みを慎重な面持ちで受け取った。
「ありがとう……あやせ」
「なんで泣くんですか……」


 若干ひいているあやせと別れ、俺は最後に田村屋に向かった。麻奈実と会うためだ。
「ほら、これ」
「うわーありがとう、きょうちゃん!」
「ま、たまにはな」
 こんなに喜んでくれると、赤城に言われるまで忘れてたなんて言えないな。
「そうだ!きょうちゃんにも、はい。ばれんたいんのちょこれ~と」
「毎年悪いな」
「ううん。きょうちゃんが美味しく食べてくれるのを考えれば、わたしも嬉しくなるから」
「そうか?」
「うん」


 麻奈実と別れ、減るはずだった荷物はなぜか量的には変わらず、俺は家に行きついた。
「ただいま……って、うわっ!」
 リビングに入ると、中はもの凄く甘ったるい匂いで満ちていた。これはキッチンからか?
「桐乃?……いないのか?」
 一階を見て回り、そのまま二階の桐乃の部屋にも行ったが桐乃はいなく、わたす予定だった菓子はそのまま俺の鞄の中にしまっておいた。
「しかし、これ、どうするか……」
 貰った時はその時々嬉しかったが、今全部出してみるとかなりの数のチョコだ。
 これを全部食べるとしたら、確かに沙織の言っていたとおり鼻血くらい出るかもしれないな。だがしかし、せっかくバレンタインにこれだけのチョコを貰ったんだからな。こんなこと、これから先はありえないだろうし、しっかりと全部美味しく食べるさ。


 その後、桐乃は門限ギリギリに帰ってきて、そのまま晩御飯となった。そのため、俺は買ってきた菓子をまだわたせないでいる。
 まさか、両親がいる前ではわたせないだろ。
「おい桐乃」
 そして、けっきょく俺が菓子をわたしに行ったのは、夜も遅くなってのことだった。
「なに?」
「なにって……これ、お前がなんか寄こせって言うから」
「あっ、ホントに買ってきたんだ」
「お前……」
 まさかとは思うが、冗談で言ってたのか……だったら、もっと分かりやすく言ってくれよ。おかげで、結構な金を使っちまったじゃねえか。――まあ、みんな喜んでくれたし、悔いはねえけどな。
「サンキュ」
 俺の手からひったくるように菓子の包みを奪うと、
「ちょっと待ってて」
 と言って、桐乃は部屋の中に戻って行った。
「なんだ?」
 俺が考えている間に桐乃は再度部屋のドアを開けて出てきた。
「はい……これ」
「ん?」
 桐乃は俺を見もせずに、申し訳程度しかない小さい包みをわたしてきた。
「これは?」
「それぐらい分かれっつうの!」
 無理やりわたしてくるそれを受け取って、中を開いてみる。すると――
「チョコ、か」
「……友達とか、お父さんに作った奴の残り。いらないなら別にいいけど」
「いや、貰うよ。ありがとな、桐乃」
「なにニヤニヤしてんのよ、このシスコン!」
「ちょ……おま、誰がシスコンだ!?」
「フンっ!」
 桐乃は勢いよくドアを閉め、部屋の中に戻った。
 なるほど、今日帰ってきたときの甘い匂いは、これのせいだったのか。いつもはお菓子作りなんかしないくせにな。
「いつまでそこに立ってんのよ。ジャマ」
「おお、悪い」
 また出てきた桐乃は、手に俺のよりも大きな包みを持っていた。
「それは?」
「お父さんに。なにか文句ある」
「いや……別に」
 なぜかちょっと悔しくなったのは秘密だ。
「あっ、そうだ!」
 と、桐乃は階段を下りる途中で気が付いたように振り返り、笑顔で言ってくる。
「ホワイトデーは三倍だからね」
「な、なに!?お、おい、桐乃!」
 俺の声を無視して親父の書斎に向かう桐乃は、とても楽しそうだった。
 ――で、俺の金はいったいどれだけアイツにつぎ込めばいいのだろうか……。
 俺のそんな虚しい思いは、みんなから貰ったチョコを食べてしのぐしかなかったのだった。
 しかし、みんなからのチョコは――美味かった。

 ――END.
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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