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St. Valentine's Day【化物語二次】

From Your Valentine!

などと言っても、寂しいかぎりな主宰。つむぎ日向です……

まあ、そんなことはさて置くとして、今日は今と昼、夜二回。計四回に別けて、バレンタインネタの二次小説を投稿していこうと思います。

投稿作品の元ネタは、

今(↓)「化物語

昼「Steins;Gate

夜(1)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない

夜(2)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(番外編)

になります。
pixivにも同様の作品を同じくらいの時間に投稿していくので、よかったらそちらでも読んで下さい!^^


では、せめて二次元の中だけでも楽しいバレンタインを祈って、先にお別れを。

byつむぎ日向




St. Valentine's Day【化物語二次】



「ねえ阿良々木くん。もうすぐバレンタインだね」
「ああ、そうだな……」
 2月も始まったある日、僕、阿良々木暦は羽川翼にそんなことを言われた。
 突然にである。
 どう返していいか迷うのは、決して僕だけではないはずだ。
 そして同時に思うはずだ。
 ――僕は幸せ者だと。
 なんせ、僕はあの羽川からセントバレンタインデーの話を振られたのだ。これはもう、羽川から貰えるのだと思っていいだろう。
 だが、今回の話はそんなに甘い物ではなかった。それこそ、チョコのように甘くはなかったのだ。
「阿良々木くんは、他の国でのバレンタインがどんなものか知ってる?」
「他の国のバレンタイン?……そういえば、女の子から男の子に好きですって渡すのは、日本の製菓会社が考えたんだっけ?」
「うーん。だいたい合ってるかな。でも、ちょっと違う」
 そう言った羽川は、もう完全に雑学を話す体制だ。だが、僕はこの話の流れを、どこかで聞いている。そう、たしかあれは――
「今回はどうでもいいから、バレンタインデーの起源とかは置いておくけどね。欧米なんかでは、性別は関係なく、大切な人に贈り物をする日なの」
「へーそうなのか。じゃあ、チョコじゃなくてもいいんだな」
「そう。それが、日本のお菓子会社が考えたことだね。だから、欧米では花束とか普通にプレゼントとか。それを、お世話になった人。大事な人に贈るの。それからね、もっと凄い国では……」
 羽川はそう言って楽しそうに話を続ける。
「ベトナムなんかでは、男性が女性に尽くす日ってことになってるんだよ」
「そうなのか。さすが羽川はなんでも知ってるな」
「なんでもは知らないわよ。知ってることだけ」
 そんないつもの心地よい会話だが、今の僕には一つばかり確認しなければいけないことがある。羽川との話で完全に思い出した。
「それでだ、羽川。その話を、他の誰かにしたか?」
「うん。戦場ヶ原さんに」
 僕はその言葉に肩を落として、改めて数日前の出来事を思い出す。


「ねえ阿良々木くん。私が思うに、バレンタインって女の子が一方的にあげるだけじゃ、フェアじゃないと思うのよ」
 ある日、僕は戦場ヶ原にそんなことを言われた。
「いや、戦場ヶ原。お前は知らないのかもしれないが、日本にはホワイトデーというのがあってだな……」
「それは知っているわ。でも、一ヶ月も経って、本当にお返しを三倍で返してくれるかなんて分からないじゃない」
 戦場ヶ原の言うことも分からなくはない。
 三倍の話はツッコまないとしても、確かに貰った時の「やったー!これならもう、三倍でお返しぐらい安いもんだ!」という気持ちは和らいでしまうだろう。
 と言っても、そんな風に考察する僕は、往々にバレンタインに女子からチョコを貰ったことはない。毎年、二人の妹と母から貰うだけだ。
「でもな、戦場ヶ原。だからといってどうしようもないだろ?まさか、バレンタインの決まりは僕にも覆せない」
「そこまでのことは求めていないわ」
 そう言った戦場ヶ原は、楽しそうに笑った。嫌な笑みだ。
 いくら最近は毒気が抜けて丸くなったとはいえ、それが完全になくなったわけでもない。
 これは確実に、なにか悪いことを考えている笑みで間違いはないだろう。
「欧米ではね……」
 戦場ヶ原はそう言って再度話を始めた。
「欧米では、男性も女性も関係ないそうよ。それに、ベトナムなんかでは男性が女性に一方的に尽くす日と決められているそうだし」
 そこまで聞けば、つまり僕がなにを言われているのかはわかってきた。
「そこで阿良々木くん。あなたは今年のバレンタイン、彼女である私に尽くしなさい」
 戦場ヶ原は、とても凛々しい笑顔でそう言ったのだった。


 話は戻って羽川だ。
 つまり戦場ヶ原は、羽川から要らぬ知恵を得て、僕に「バレンタインは一緒にいたい」という遠回りなことを言ってきたわけか。
 だがどうだろう。
 今僕は羽川からも同じことを聞かされている。これはつまり、行きつく所も同じということではないだろうか。
「だからね、阿良々木くん。私は、たまには阿良々木くんから何かしてほしいなって思ったの」
 やはりだ。やはり、羽川は想像どおりのことを言ってきた。だが、これは僕にとってとても嬉しい限りだ。もう飛び跳ねてもいいね。
 なんせ、あの羽川が、この僕に甘えてきたのだ。これを嬉しがらなくてどうする。
「なんか、顔が気持ち悪いぐらいにやけてるよ」
「それは気のせいだ」
 僕はそう取り成しながらも、どうしたものかと考える。
 まさか羽川だって、僕が戦場ヶ原から同じ謳い文句で誘われているとは知る由もないだろう。
 いや待てよ。戦場ヶ原は、きっとバレンタインは僕と一日一緒にいる気でいる。だが、羽川はそうではないだろう。バレンタインという特別な日だけ。その日に少しだけ、自分のわがままを通して、僕から何かを貰いたい。そう言っているのだ。それぐらいなら――
「わかったよ。バレンタインは楽しみにしておけ」
「ホント?期待しちゃうよ?」
「おう!任せておけ!」
 僕はそう羽川に威勢よく言ったのだった。




 困ったことが起こった。
 などと言ってみるが、別にまた怪異絡みでのことじゃない。ただ単に、なにを贈ればいいのか迷ってしまったのだ。
 いや、迷ったのとは少し違う。まったく、何一つ思い浮かばないのだから。
 最初はチョコかとも思ったが、それは違うような気がした。
 なにがどう、と聞かれると困るのだが、せっかくあげるのだから、もっと他にある気がしたのだ。
 でも、その後僕は一向に思いつくことがなかった。
「なあ、お前様」
 デパートの中をブラブラ歩いていると、影の中からそう声がした。今さらなので説明は省くが、声の主は僕の影の中にいる忍野忍だ。
「ミスドでいいではないか」
「お前……どうせそう言うと思ったから僕は無視したんだぞ」
「連れないのー。もうすぐわしのポイントも貯まるというのに」
「え?なにお前、ポイントカードなんて作ってたの!?いつのまに?」
「なにを言っとる。ポイントカードはお前様が持っておろうが」
「そっか。そうだよな。じゃあ、なんのポイントだよ?」
「お前様に対する、わしの愛情ポイントじゃ。全部貯めぬとtrue endは見れぬぞ」
「なんだよそのギャルゲみたいな設定!」
「好きじゃろ?」
 忍のその言葉に、僕は言い返すことができなかった。
 そんな会話を、これでも人目をはばかりながらしていると、急に忍が真面目な口調に変わった。
「なあ主様よ」
「なんだ?改まって」
「わしが思うに、あの者らは何を貰っても喜ぶと思うぞ」
「そんなことは、」
 そんなことは分かってるんだ。
 きっと、あいつらなら何をあげても喜んでくれる。でも、だからこそ本当に喜んでもらえる物をプレゼントしたいんだ。
「難儀な性格じゃな」
「知ってるよ」
 それから僕は、数時間の間デパート内を彷徨い歩き、やっとのこと納得のいくものを見付けたのだった。




 そして今回のオチ、というかバレンタイン当日。
 僕は戦場ヶ原や羽川から教わったとおり、今までお世話になりっぱなしだった人たちにプレゼントをわたしてまわった。きっと、日本のバレンタインにこんなことをしているのも、僕くらいのものだろう。

 まずは忍だが、これはミスドの新商品「くまチョコ」「くまイチゴ」「くまキャラメル」をそれぞれ三個ずつ買ってくれとお願いされたので、それに応じた。
 そして、千石、神原、八九寺、羽川の順にそれぞれ買ったプレゼントをわたしに行った。

 八九寺には会えるかどうか心配していたが、意外とタイミングよく出てきてくれて――
「これはこれは阿良々木さん。わざわざありがとうございます」
 と、懇切丁寧に頭を下げてお礼を言ってくれた。

 千石にしても――
「暦お兄ちゃん、ありがとう。これは撫子からのバレンタインのチョコなんだけど、受け取ってくれる?」
 と、チョコまで貰ってしまった。

 そして神原は――
「おお、阿良々木先輩から貰えるとは夢にも思っていなかった!しかし、私は戦場ヶ原先輩の分しかチョコを用意していないのだ。もちろん友チョコなどではなく本命だがな!……とはいえ、このお返しは必ず。ホワイトデーは楽しみにしてほしい!」
 と、ホワイトデーにお返しをくれる約束までしてくれた。これでは本来と逆だ……。

 最後は羽川なのだが――
「ホントに買ってきてくれたんだ!ありがとう、阿良々木くん」
 と、驚かれてしまった。僕はそんなに信用がないだろうか。
「それより、今日は戦場ヶ原さんと一緒にいてあげなくていいの?」
「ああ、もちろんこれから行くところだよ」
「そうなんだ。妬けるなー」
 羽川のその言葉は、冗談のような口調で言っているが、さすがに笑えない。
「そうだ。阿良々木くんのことだから期待していたかもしれないけど、私はあげないからね、チョコ」
「え?くれないの?」
「やっぱり期待してたのね」
 あきれたように言う羽川だったが、そりゃ期待もするだろ。なんせ、数日前には羽川からバレンタインの話を持ちかけられたんだから。
「でも、わたしはあげないから」
「……そっか」
 だが、羽川は確固たる思いで僕にチョコはくれないらしい。それが羽川の出した答えなら、僕は黙って頷くしかできない。たとえ、羽川がずっと後ろに回していた手が気になったとしても。
「ほら、早く彼女の所に行きなさい」
「ああ。そうするよ」


 僕は羽川の下を離れ、戦場ヶ原の待つ戦場ヶ原家に向かった。
「待ちくたびれたわ、阿良々木くん」
「悪いな」
「いいわよ。どうせ、いつものでしょ」
「今回は、少し違うかな」
「そう。でも、ちゃんと私の下に帰ってきてくれれば、私はそれでいいわ」
 そう言った戦場ヶ原は、僕にその白く綺麗な手を指し伸ばした。
「さあ、楽しいバレンタインを過ごしましょう」
「ああ」
「それとコレ」
 戦場ヶ原の手を取ろうと伸ばした僕の手に、小さな包みが乗せられた。
「From Your Valentine」
「サンキュー、戦場ヶ原」
 僕はそれをポケットにしまってから、僕が用意したプレゼントを手渡す。
「あら?プレゼントまで用意してくれていたの?」
「もちろん。その……僕の彼女のためだから」
「ふふ、ありがとう。阿良々木くん」
 その戦場ヶ原の笑顔を、そして、僕からのプレゼントを受け取ってくれたみんなの顔を思い出して思う。
 ――喜んでくれてよかったと。

 ちなみに、僕が用意したプレゼント。それは――僕たちだけの秘密だ。

 ――END.
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テーマ : 二次創作
ジャンル : 小説・文学

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